『俺の3本立て!〜もしも男と男の愛について3本立て上映するならば』
俺の勝手に3本立て企画第2弾!
前回は、男と女のややこしい問題について特集したが、
今回はそれから一方を180度回転。
いや、この表現が正しいかは分からないけれど
男と男の間に生じる愛をテーマに3本立てを企画!
少し安い言い方をすれば「男同士の友情」とかあるけれど、
それは違う!安易なものじゃない!もう、それは愛なんだ!
アメリカではこのようなジャンルは市民権を得ており、
男同士のラブロマンス、通称’ブロマンス’ムービーは活況を呈している。
それじゃあ、日本はどうだ。何が壁ドンだ。何が脱毛だ。何がナノユニバースだ。
しょうもないガール達に目がくらんでいるロールキャベツ男ども、
どっちが大事なのかよく考えろ!きっとあなたも男を愛せるようになる、
そして人生において非常に有意義になるであろう3本を紹介しよう。
ちなみに、女性の方も何らかの意味で学べるはずです。
①スーパーバッド童貞ウォーズ
この映画のテーマは、童貞だ。
ただ単に居心地がいいからつるんでいた童貞達が、
女の子と出会い童貞を卒業しようとパーティーに行き、
警察沙汰だなんだめちゃくちゃやりながら、
やっぱり童貞を卒業できずションボリしていたが、
そこで童貞達の間でささやかな愛が生まれ、
「やっぱお前たちだよな」ってなさりげなくも
核心に迫った感情で一晩を共にし、真の意味での童貞を卒業する。
つまりこの映画を見ることによって、
これからの残りの2本の衝撃に耐える「身体」を作ってもらおう、
言い換えればブロマンスムービー童貞を卒業してもらおう
ということなのである。
また、この映画に出演しているおデブちゃんジョナ・ヒルが
スターの仲間入りした歴史的作品としても忘れてはいけない。
名前だけを聞くと足が早そうでハンサムを思い浮かべるかもしれないが、
本名は「ジョナ・ヒル・フェルドスタイン」なんて名前だったりするのだが、
実際はご覧の通りの170cmのご愛嬌ボディにお口先行型。
今や『マネーボールで』ブラッド・ピッドと共演するまでになったが、
この手の映画に常に出演を続けているミスター・ブロマンス。
知り合いに一人はいそうなこの絶妙な野郎が
映画界で大スターになってしまうんだからアメリカは奥深い!
童貞界、デブ界のキングとして彼の名前を要チェック!
②デッド・オア・アライブ2
この映画のテーマは、初恋だ。
主演は竹内力と哀川翔。そして監督は三池崇史。
もう一度言おう、この映画のテーマは初恋だ。
やっぱもう一度言おう!この映画のテーマは初恋だ!
信じられないかもしれないけど、これは真実。
最も死者の多いラブロマンスとギネスに認定されている程である(嘘)。
とにかくこの映画はめちゃくちゃだ。
本当に説明するのが面倒なくらい当時のVシネマのイケイケ感に溢れ、
どことなく北野武の『ソナチネ』感を漂わせながら、
物語の終盤では強面ダブル主演の背中に羽が生えてくサイケデリックぷり。
人が死ぬ時のやりすぎなゴア描写とか、
映画史に残るであろう本当に生々しい豊満なヌードなんてものを挟みながら、
この映画の中心となる物語は竹内力と哀川翔のラブロマンスなんだもの
違和感たっぷりで目がくらむ最高の作品だ。
初恋というものは、なかなか忘れることが出来ない。
だってほとんど叶うことはないのだから、そこにロマンがあるのだ。
もう会えいないのだろう思ってから長い月日が経ち、
ぼんやりとしていた相手の影が、ふとした偶然で目の前にはっきりと
姿形と身体の温度と何かしらの気持ちを感じた時。
その時、思わず目を合わせることなく昔の思い出を振り返るしかなくなり、
記憶をすり合わせながら徐々に向き合っていく。
そんな竹内力と哀川翔のブロマンスっぷりに泣けてくるのである。
緩急をつけるための2本目として最高のチョイスであろう!
③22ジャンプストリート
この映画のテーマは、純愛だ。
『スーパーバッド童貞ウォーズ』に続き、またしてもジョナ・ヒル。
ダブル主演のもう一人として、今もっともセクシーな男と言われるチャニング・テイタム。
かつてジョニー・デップ主演で撮られた『21ジャンプストリート』のリメイク第一弾に続き、
続編となったのが今作品である。『21~』の方では2人のダメダメ警察官が高校に潜入捜査をし、
恋や喧嘩やドラッグや芝居だなんて案外楽しんじゃいながら友情にヒビが入ってマジで喧嘩したりもして、
結局どうにかこうにか犯人を捕まえるっつうハチャメチャコメディであった。
『22~』では大学に潜入捜査をし、やっぱりお約束通りの展開。
潜入捜査モノ、アクション、青春コメディ映画としてスケールはデカくなったが、
それ以上にジョナ・ヒルとチャニング・テイタムの純愛度合いが過剰にインフレ。
「運命の赤い糸は、真っ赤な嘘」なんて桃井かおりや清原和博あたりが言いそうであるが、
この2人の男の間には、中島みゆきもビックリの切っても切れない運命的な糸が張っている。
そういうことを大真面目に金をかけてやっているのがこの映画だ。
ここまで全て見終わって、ようやく分かるだろう。
別にゲイだとかそういうことを言いたいんじゃなくて、
少し暑苦しいくらいでも男同士で心の底から抱き合ったていいじゃないか!
いつまでもヒタヒタのキャベツにくるまっている場合じゃないんだ!
自分からキャベツを拭い去って、己の「肉」体を露わにして
真剣に男同士ぶつかりあうのは素晴らしいじゃないか!とこの3本を通して伝えたいのである。
園子温は『愛のむきだし』、前野健太は『愛はボッキ』と言った。
それなら私は、勝手に人の作品を拝借してはいるが
この3本立て上映を『脱げキャベツを』というタイトルにしようじゃないか!
きっと誰しもが、男の愛し方、ひいては人間の愛し方が理解できるはず。
なんだか偉そうな自己啓発本なんて読むよりもまず、これを見ればいいんだよ!
男の友情を愛に昇華できない奴が、女を愛せるわけがないんだ!
ということであります。
高野百万石