2013年 シネマランキング(弾厚祐の場合)


1位 風立ちぬ

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アニメをなめていた。ジブリをなめていた。宮崎駿をなめていた。

正直アニメもジブリも宮崎駿も今までほとんど興味をそそられることがなかったのに、「風立ちぬ」を見てからというものこの3つのワードに対してすごく寛容になれた。それほどこの映画はおもしろかった。

最初は庵野のあまりにも自然体すぎる声優っぷりに絶句しそうになるが、序序にその違和感は拭われて、むしろ自然で人間的な声として欠かせないものになる。そういった所に代表されるようにこのアニメーションという方法とは裏腹にとても人間的な所が「風立ちぬ」の良いところだ。アニメだから人間の演技の臭さは感じられず、むしろその動作(タバコを吸ったり、飯を食ったり)に注目をおくことができたし、その声にも妙な臭さが含まれていなかったのも完全にはまっていた。丁寧に動作を描くとここまでアニメが人間的なるのかとただただ驚かされた。おれにとっては人間ではなく人間的であったことがとても重要だった。

無論内容は文句なし!

 

2位 ザ・マスター

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今回のポール・トーマス・アンダーソンの映画もこちら側の映画の読み解き方を多いに試す、なかなかの問題作。フィリップ・シーモア・ホフマン演じる新興宗教の教祖、所謂ザ・マスターとホアキン・フェニックス演じるアル中の荒くれ者の男の物語。男は教祖を信頼しているのだが、やはり奔放な性格が故にほかの信者のようにすぐに教祖の思想に心酔していくわけではなく、この自由な男は、誰もが必要とするザ・マスターという存在とどのように付き合っていくのかというのを主題とした映画。というより、この解説すらももしかしたら的外れなのかもしれないという考えれば考えるほど難しい1作。映画ごときでここまで考えさせてくれるというのは素晴らしい作品に違いない。

 

3位 オンザロード

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ジャック・ケルアックの小説を映画化したのだが、まったく期待していなかった分、低いハードルを背面飛びで悠々飛び越えてきた結果3位にランクイン。小説のほうはというと超傑作、旅に出て行く若者たちの物語を即興的な長い詩のように作り上げ、人々の感覚に直接的に訴えかけてくる素晴らしい小説だったが、映画の方ではこの小説のビート文学に似つかわしくないほどに事細かに描かれた人間関係を重点として描かれている。そんなに有名な俳優達を起用しなかったことで変に小説とのマッチングを意識せずにすんだのもよかった。

ビートがどうのこうのというよりジャック・ケルアックの「路上」がいかに素晴らしい小説であったかを再確認させられた。


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