2013年 シネマランキング(高野百万石の場合)


2013年 シネマランキング

あっという間に一年が終わりかけている。気づけばたくさん映画を見た。あんなものからこんなものまで。中でも、色んな意味で最も印象に残っているのが相米慎二監督の「台風クラブ」だ。とあるシネコンで偶然上映していたのを見に行ったのだが、観客は自分ひとり。名作「台風クラブ」を、いまスクリーンで独り占め出来るだけでも強烈な体験だと思うが、一方でこの時間を大事にしたいと思う気持ちが弊害を生んだ。強烈な尿意との戦いだ。それもかなり序盤の段階から。どうしよう、いっそのことコーヒーの缶の中に入れちゃおうか、うーん、我慢するか…。あー、もう漏れそう…。それはそれ、ということで2013年のシネマランキングを、勝手にキャッチフレーズを付けながら発表します。

 

一位「風立ちぬ」 男には 女を引き止められない 孤独があるから(原田芳雄 八月の蜃気楼より)17761

純粋な恋愛。分かる人に分かればいい。お互いを理解しているからこそ、たばこを吸い、手を握りしめる。別れが訪れ、それを静かに受け入れる。むかし女の子に別れようと言われた時、なんで黙っていられなかったんだろう。ブラックニッカ飲みまくって、酔っ払って電話して…。フラれて当然だな

偏屈ジジイ‘宮崎駿’が初めて背中で語った「男の流儀」。これで去っていくなんて、粋過ぎやしませんかね。振り向かせたまま、別れを告げる。そんなことを出来る人が、羨ましいぜチクショウ。この映画を見て、女とたばこと映画がさらに好きになった。

 

二位「マジックマイク」 男の裸が想像以上 不埒にときめくその瞬間 マイク

夢を掴むため、目の前の女性客を喜ばせるため、金を稼ぐために裸になる男たち。スクリーンで躍動するその肉体。見たものにしか分からないだろう。俺は冗談抜きで、腰抜けにされてしまった。男性ストリップ、ウホーッ!!

主演のチャニング・テイタムは、彼の実体験を基にしているということで本物。腰の降り方なんか、レイザーラモンH・Gの比じゃない。腰痛を超越してしまいそうなくらいの、しなやかで激しく艶やかなシェイキング。泡立ちますぜよ。家に帰って早速マネをして腰を振ってしまった。ついでに言っておきますが、ストーリーも最高です。

 

三位「マッキー」 あなたの恋人でいたい ハエになっても変わらないハエ

ヤバすぎる。この一言に尽きる。大富豪の恨みを買い殺された主人公がハエに生まれ変わり復讐する。メチャクチャくだらないけど、サイコーに楽しかった。

残念ながらハエになっちゃたけど、むしろそっからの方がカッコいい。復讐するために、筋トレもするし知恵も絞る。最初はちょろちょろ動き回っての睡眠妨害がメインだったが、徐々にインフレを起こし最終的には家一軒ふっとばす。意味不明だと思うが、まさに「ハエに魂が宿った」と思わざるを得ない見事な復讐劇。例えるなら、ハエ版『ロッキー』。胸熱です!

 

四位「横道世之介」 あなたを思いだした時 私を思い出す 横道

吉高由里子ってこんなに可愛かったっけな。男だったら、絶対ホレちゃうでしょ!これ。何が良いかって本当に全部良いんだけど、一つ挙げるなら‘笑顔’。演技で笑うというレベルではなく、人生そのものを楽しんでいるような、天真爛漫なあの笑顔のことだ。日本代表MF本田圭祐が前線でボールをキープする時のような、深みを感じさせる。これぞ世界レベルだ。

またこの映画を見てフィルムカメラの良さを知り、中古で買ってしまった。現像するまで何が撮れているかわからない。デジタルだったらミスショットで消去してしまうものを、しっかりと思い出に残す力がある。ぼやけた写真を見て、鮮やかな風景を思い出す。そんな瞬間がたまらなかった。この映画が大好きになった。

 

五位「その日の前に」 壁を空色に塗るこの気持ち そっと見つめる優しい目その日の

実際にスクリーンで見てはいないが、この作品をランキングに入れないわけにはいかなかった。重松清のベストセラー小説を2008年に巨匠・大林宣彦が映画化。永作博美とウッチャンナンチャンのナンチャンが夫婦を演じている。

とにかく永作博美が可愛い!エライ年上だけど、これはもう男なら誰しもが惚れてしまうレベル。仕事から帰ってきたばかりの俺の靴下の臭いを、すっごく嬉しそうに嗅いでくれんじゃないか…。一歩間違えればお涙頂戴で終わりそうな話を、男にこんな妄想をさせてしまう程、みずみずしい「性=生」に溢れた作品に仕上げている。