‘したたかさ’をぶっ壊す


ルームシェアって聞くと思い浮かぶのは、ちょっとした‘したたかさ’だ。友達同士で一緒に住む。気の知れた仲間たちと和気あいあいと暮らすのだろう。もし、それが男同士なら楽しいに違いない。一人でシッポリと悦に浸る時間は限られるだろうが、まあそれは置いておこう。ただ、問題なのはそこに異性がいる場合だ。男と女、それは即ちSEXである。もし、男女でルームをシェアしちゃってる時に、ワンペアがSEXに興じていたら…。きっと、彼らは隠すんじゃないだろうか。だって、好きとか嫌いとかじゃなくて「ホントはダメなのに」ってところで興奮しているのだから。みんなで顔を合わす時は、いかにもそれっぽく。二人でいる時は、いかにもあれっぽく。これぞ計画性のある‘したたかな’SEX。彼らは一生、お金に困らない生活を送れると思う。

正直言って、そういう人間がこの世にいては、割を食う人間が多すぎる。自分もその一人だ。そういう奴らがシコタマ良い思いをした分、我々は無駄な「自分失くし」の旅を続けてしまう。ここで紹介する映画は、‘したたかさ’なんてぶっ壊してしまおうという「失くし続けた」男による、まるでこっそり置いてしまう『檸檬』のような映画だ。

 

①    ブルーバレンタイン

ブルーバレンタイン

あの男が惚れる男‘ライアン・ゴズリング’と『マリリン』でマリリン・モンロー役を演じた‘ミシェル・ウィリアムズ’が主役を務める。運命的な出会いを果たしたかに思えた二人が、次第に文字通り壊れていく様を、時系列を交差させながら描いていく。ウディ・アレンの『アニー・ホール』の後継とも言える作品だ。もし、この作品を男女四人で見たとしよう。それはそれは、複雑な雰囲気になるに違いない。男と女の決定的な違い、更に言ってしまえば女の‘したたかさ’が痛いほど滲み出ている。今この瞬間は心を許していても、一瞬で気持ちが変わる。白馬の王子様なんて言ってるのは口だけだ。それを信じた男はどこまでも哀れで、かつソウルフルだ。見た後に聞いてみよう。男と女、どっちが悪いと思う?と。どっちも悪いといった奴とは、きっと一緒に住まない方がいいよ。

 

②    腑抜けども悲しみの愛を見せろ

腑抜けども

昨年大ヒットとなった「桐島、部活やめるってよ」の吉田大八監督によるデビュー作。ここまで、女のどうしよもなさを描いた作品も珍しいのではないだろうか。ほとんど悪意に近い形だが、女という生き物の愚かさと、それ故に愛してしまう男の愚かさが痛いほど伝わってくる。

超悪魔的な美女を演じるサトエリ(生理用品のCMで無駄に朗らかな、あの女)にあそこまで迫られたら、男はどうしようもないって!そりゃあ、誰でも転がされますよ。でも、この映画をよーく見てください。転がされた男たちの顛末を。‘したたか’にシッポリやってしまおうとしていた奴らは、全員地獄へ落されます。

肉体関係者諸君、今一度その関係性を見つめ直せ。‘したたか’にSEXしている場合じゃないんだよ!もしそれでもやりたいんだったら、腑抜けにまでなって悲しみの愛を見せてみろ!

 

③    極道の妻たち

極道の妻たち

岩下志麻のリーゼント、大女優・かたせ梨乃のブレイクのキッカケとなった豪快な脱ぎっぷり、そんな二人の汗まみれのキャットファイト。この映画の見どころは、それで十分だ。ちなみに、自分の父と母の初めてのデートは‘映画館で『極妻』’。それが縁で生まれた男の子がそう言ってんだから、つまりそういうことだ。

ここに出てくる女は、一見‘したたか’そうに見える。相手を裏切ることも、敵に銃を撃つことも、色仕掛けすることもあるのだ。ただ一つだけ変わらないのが、一度愛した男を愛し続けること。西野カナや加藤ミリヤみたいな漢字も書けないような小娘じゃなく、カラスを頭に乗っけてる岩下志麻がそうしているんだから驚きだ。

女は見た目じゃわかんない。脱いでも分かんない。ルームをシェアしていても、何も分かんないと思う。俺はよくそんな奴と一緒に住めるなと思うし、フラットな友達関係でいられる意味も分かんない。そんな不感症な人間が増えていては、選挙の投票率が下がるのも分かる気がする。『檸檬』が爆発した時に、真っ先に死ぬのは彼らだ。自学自習の時間が足りねえんだよバカッ!志麻姐さんのドスを感じやがれ!


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