とうとう‘23’になる


‘23’を考え始めてから6日目。頭が痛くなる。ニッチな所を突こうと目論んでの今回のテーマであったが、完全に失敗だった。全く浮かんでこない。もう明日が締切だというのに。

おとといはサウナに行った。その前は覚えていない。9時を過ぎれば仕事終わりの汗ばんだオッチャン達が、これでもかと言わんばかりに更に汗を吐き出しに来る。寝転がって派手に陣取る人、目をつむって無になろうとする人、テレビをボーっと見ている人。その中で一人‘23’と戦っている俺。裸の男たちに囲まれ、非情な暑さに耐えながら‘23’に思いを巡らせた。水風呂とのコンボで1時間を超える長期戦に持ち込んだが、結局ギブアップ。帰りに飲んだフルーツ牛乳がやけに美味かった。

 

○‘23’のヒントになると思って聞いたアルバム「Me-imi  Premium Edition」岡村靖幸

天才・岡村靖幸の現時点で最新のオリジナルアルバム。麻薬中毒で捕まったり復活したりを繰り返す中、2回目と3回目の逮捕の間に制作された。1枚目はオリジナル、2枚目は彼が裏方として作曲・リミックスした曲のコンピレーションとなっており、あまりに贅沢すぎる。

1枚目は「岡村靖幸の音」と「岡村靖幸の言葉」で溢れている。重低音をビンビン響かせ、不規則かつ計算されたビートを刻み、時にはピアノオンリー。そのサウンドの上を跳ねるように、エロティックかつ‘めっちゃヒップホップ’な独特の言葉を乗せていく。

合唱部の部長さん おっさんも魅了しちゃう

学校では理論派 高慢ちきGirl

OKデート 直接手と6000円でどう?

      インテリジェンスの反動で見よう見まねで声かける  「5!!モンキー」

 この一曲目には圧倒された!なんたって意味不明に聞こえるようで、実はとんでもなく鋭い。これをポップソングにするってのか、靖幸ちゃん…。その後の曲でも天才はぶっ飛び続け、1枚目の最後は「そんで×3 着替えをもって全裸のままで」という詞で終わる。変態っていうより、エッチですね。そんでそんで二枚目は、とにかく全部良いっす。特に5曲目。なんとデーモン小暮閣下が岡村ワールドへと降臨し、まさかの悪魔キャラ崩壊のラブソング。「わかっているのに乗るに乗れないクジラの飛行船」なんて言っちゃう始末で、悪魔もひれ伏す岡村ちゃんの才能を物語るには申し分ない。岡村

 昨日は何となくゲオに行った。「魔法少女まどかマギカ」のレンタル状況をチェックし落ち込んだのち、中古CD売り場にたどり着いた。最近レコードばかりに目が行っていたので久々に見るとかなり新鮮で、ハ行に「はっぴいえんど」がなく「Ayu Hamasaki」が氾濫しているのに衝撃を受けてしまった。結局、ハ行とア行から1枚ずつCDを買った。

○‘23’に振り回されながら、偶然ゲオで出会った2枚のシングルCD

バニラビーンズ「LOVE&HATE」

 「北欧の風に乗って」やってきた、「清楚でイノセンスな雰囲気」の女の子二人組が出した4枚目のシングル。カジヒデキによる昔のアイドルソングチックな甘酸っぱい歌詞と、今や嵐・EXILE・武井咲などを手掛ける超売れっ子作曲家の本物スウェーデン人Erik Lidbomによる普通にカッコいいサウンドが絶妙なマッチ! Perfumeの3倍くらい歌上手いけど百分の一も売れていない、良い風に乗り損ねた感じもまたいい。一度聞けば病みつき間違いなし!ばにら

AKB48「恋するフォーチュンクッキー」

 AKB48自体大して好きでもないが、この曲に関しては別格。ホントJ-POPって良いなと思わせる心地いいメロディーだけでも十分だけど歌詞も最高だ。秋元康のシナリオ通りでムカつくんだけど、指原莉乃の歩みと完璧にシンクロしていて、「くそー!もう参りました!」と言わざるを得ないこの出来。フラフラよろめきながら片膝をつき、武藤敬司のシャニングウィザードを受ける。どんなに痛かろうと小橋健太に胸を差し出しチョップを受ける。もうプロレスと一緒。毒と分かっていても、フォーチュンクッキーかじるべし。

 そして今日、まさかの緊急事態が起きた。事の真相を早速述べると、この‘23’というテーマが決まる前、実は‘初恋’特集をやろうとしていた。まるでニッチでない‘初恋’を選んだ理由は簡単、取材と題してその子と連絡を取ることで、あわよくばと考えていたのだ。Facebookで友達申請をし承認され、後はこの企画を通すだけ。ところがどっこい結局‘23’なんてアホったらしいものになってしまい、作戦は頓挫し今日に至っていた。ふと携帯を見ると、Facebookで1件の友達申請。誰だこのチャラい男は。記憶を辿り写真を眺め数十秒。思い出すのに時間はかからなかった。小学校の時に俺の遊戯王カードをパクッたまんま転校したあいつだ!明るくて女子にモテて俺の宝を盗んで消えた男。まさか、初恋の人の友達だったなんて…。

22年も生きていれば人生いろいろ。来月でとうとう‘23’になる。旧友たちが仕事でステップアップしたり、母親が仕事を辞めて学生になると宣言をしたり、最近隣に引っ越してきたカップルの夜のヴィブラートが聞こえてきたりと周囲は騒がしくなってきた。アサヒスーパードライの大瓶をラッパ飲みしながら、映画「サタデーナイト・フィーバー」のサントラを聞いて今これを書いている。土曜日の夜九時、ストーブに当たりながら男一人。あいつからの友達申請は保留中。たばこはパチンコ屋においてきた。


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