おれの選ぶこの雑誌の特集最高だったな特集


机の下の段ボールに入った雑誌の山。久々にひっくり返すと時を忘れて取っ替え引っ替えぼろぼろの雑誌を読み返してしまった。なんでこんなもん買ったんだと思うものもあれば、今でも全然読める!むしろあの時よりおもしろいと思うものもあった。

雑誌というものは「今」を切り取り、映し出す側面が強いとは思うが、そのときの「今」がこの「今」読んでもおもしろいというのはまあそれはそれはいい特集だったと言っていいと思う。

そこで『おれの選ぶこの雑誌の特集最高だったな特集!!!』

 

1 2011年9月号「HUGE ウォレス・バーマンを知ってるかい?」

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2011年9月のおれよくぞ、買った!おれは今元気です。

特集の問い、自分の答えはいいえだった。しかし、この特集を読んでから、誰よりもウォレス・バーマンについて知ったかのような顔をしていたことをよく覚えている。アメリカ国内でもあまり知られていないというこの男はフォトコラージュを発表したりや少数の雑誌を発行し、周りの友人を中心に配っていたそうだ。そりゃあ知る由もなかった。量としてはさほどではないがこの号に残された数十ページのウォレスに関する情報はすべてが魅力的だった。そして今読み返してもまだまだ魅力的だった。特に何枚も掲載されてる彼のポートレイトは髭面だったり、サンダル姿だったり、踊っていたり、とてもかっこ良い。

引用すればこれは「自分がやりたいことをやり、必要十分な金だけを稼ぎ、創作の喜びを家族や友人や仲間と共有し、人生を楽しむ」姿であり、決して彼は負け犬なんかじゃなかったことがよくわかる。

なぜこんな男の特集が日本で!よくやったあの頃のHUGE!

 

 

2 2011年11月16日号 「BRUTUS 気持ちいい音楽」

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これも2011年か、なにがあったんだ!2011年!

今読み返しても非音楽誌では信じられない傑作特集だ。簡単に言えばメロウというお題でありとあらゆる音楽を紹介した特集なのだが、その守備範囲と質がずば抜けている。当時読んでいて知らない音楽ばかりで興奮したものだが、2015年8月現在つまり3年半越えの修行を終えてもなお知らない音楽がうじゃうじゃしている。ちょっと前に『クワイエット・コーナー~心を静める音楽集』が発売され話題を呼んだが、重なるものが多いものの、この本にハマった奴らは町中の古本屋を駆けずり回って、2011年11月9月号のBRUTUSを探すべし!

ちなみに音楽好きの著名人が自分にとってのメロウな曲を紹介するページで堀込泰行や橋本徹にならびなでしこジャパンの選手がナオト・インティライミやスキマスイッチを紹介するバランス感覚は恐ろしいなと思いました。

 

3 2013年10月「屋上野球vol 1 特集 野球を失った野球小説」

屋上野球

野球選手がボールを打ったり、投げたりする。その行為の向こう側には打率だとか防御率だとか今でいうとOPSとかその他にも膨大な指標と数字が存在する。

この2つはもちろん結びついているのだが、なぜかとても遠い存在だとずっと思っていた。そんな長年の謎をこの特集は解き明かしてくれた、というよりは膨らんでいく謎を宥めてくれた。

いや、しかしまずこの雑誌が素晴らしい。どんな人が作ろうと言い出したかはわからないが、多分野球が好きでたまらない、しかもどちらかと言えば「野球を見る」ことが好きでたまらない、そして野球というものが球場をテレビを飛び出して、無限に広がっていくような感覚を持っている人たちなのだろう。そんな人たちが作ったとするのならば、このvol 1の特集はその感覚をそのまま形にしたような最高傑作だ。

高橋源一郎のインタビューから始まるという構成も憎いし、あらゆる角度から野球を言語化した記事やコラムはボリューム感満載だ。

野球には2種類ある。プレーする野球と見る野球がある。高橋源一郎はインタビュー内で語っている。簡単なことだが、深く頷いてしまった。

ますます野球を見るのが好きになった。

 

とりあえず雑誌を買おう!

 

弾厚祐