ぼくらが旅に出る理由②


友部正人/ポカラについて

どうも、旅にまつわる芸術研究者見習いのパリ田中です。

 

ぼくもポカラという街には行ったことがある。ポカラはヒマラヤ山脈の麓、湖のほとりにあるネパールの街だ。ほこりっぽくてちょっとねっとりした暑さのカトマンズと比べればポカラは天気が良くて、人も穏やかな街だったという風に覚えている。

友部正人がそのポカラを意識して作ったのかはよく知らないが、このアルバムは本当にポカラの街みたいに優しい。

(と思って、歌詞カードを見てみると、友部正人の解説が載っており、そこに「ポカラというタイトルのレコードがくるくると回り始めると、その音の向こうに、すっきりとした青いポカラの空が見えるはずだ。」と書いてあった。)

 

いいともの「ウキウキWatching」を作曲し、シュガーベイブの「ダウンタウン」の作詞をした男、伊藤銀次がプロデュースしたアルバム。

伊藤銀次の意向なのか、全編に渡って聞こえてくるネオアコ風の瑞々しいピアノやギターの音色は友部正人の詩ととても相性が良い。彼の詩の優しさを壊さずにぼくたちの耳に運んでくれるのだ。

全曲最高だが、ぼくは1曲目の「空から神話の降る夜は」を聞くと12弦ギターの煌めきと幻想的な詩世界も相まってかいつもちょっとくらくらしてしまう。

 

 

それにしても「ダウンタウンへ繰り出そう」と書いた男が「どうして旅に出なかったんだ」と書いた男をプロデュースするとは旅にまつわる芸術研究者見習いとしてはとても興味深いです。SWAX76