今だからこの一枚『団子と珈琲』ORITO


 

ORITOは本物のソウルシンガーである。

メロディーをただなぞるのではなく、はみ出してみせることで生まれるダイナミズム。

喜怒哀楽の移ろいを、人間臭い感情を体現してみせる繊細な歌声。

愛を語る時についつい力が入ってしまう正直さ。

未だかつて、ORITO以上のソウルシンガーに出会ったことはない。

マーヴィン・ゲイだって、ダニー・ハサウェイだって、ルーサー・ヴァンドロスだって

みんな最高だけどORITOには敵わない。そう思うのだ。

もしかしたらそれは、日本語で分かりやすいからなのかもしれない。

ひょっとしたらそれは、失恋したタイミングで聴いたからなのかもしれない。

ともすればそれは、彼が若くして亡くなってしまい伝説となったからなのかもしれない。

とにかく今間違いなく言えることは、ORITOは最高であるということだ。

 

そんな彼の最後のアルバムとなったのが『団子と珈琲」である。

ライブ音源と次回のアルバムに向け製作していた曲とで構成されており、

ちょっと中途半端な立ち位置ではあるのだけど、

確かにORITOの息吹、魂が込められている。

 

 

『リサ~横田基地物語~』

 

 

 

実在する女性の物語を歌った曲なのだが、

いまだかつてこんな音楽を日本で聞いたことがあるだろうか。

聞かなきゃわかんないし、聞けばわかる。

少しでも聞いてしまえば、あっという間に目の前に世界が浮かび上がるほど

そんじょそこらのシンガーにはない表現力に溢れている。

イケメンが女性目線で歌いましたなんて曲よりも、

最低でも5億倍は心を揺さぶるであろう名曲だ。

ヒップホップ世代ならではの言葉選びと伝統的なソウルマナーが融合した

日本の音楽史においても傑出した一曲である。

 

 

『感謝の歌』

 

 

 

 

こんなに真っ直ぐ「感謝」しまくる男に惚れない人間はいないはずだ。

シンプルな音に、シンプルだけど異常なほどに温かい歌声と言葉。

「幸せすぎて涙が止まりません」って言ってしまう強さ。

一人の女性に対する愛情とは、こんなにも「感謝」「ありがとう」で

溢れていることを知り、感動せずにはいられないだろう。

この曲をしてORITOは伝説となったと言っても過言ではない。

人間に対し、心に対し、愛に対し、世界に対し

真正面からぶつかってそして跳ね返された。

それでも歌い続け、がむしゃらにさらけ出し続けた。

最後に行き着いた先が「感謝」だなんてめっちゃいいじゃん!

いかにもORITOらしいといいうか何というか、

岡村靖幸にも共通する純情さではないだろうか。

(CDには別のライブバージョンが収録)

 

 

ということでダラダラ堅苦しい文章を書いてきましたが、

とにかくORITOの音楽を今だからというだけでなく、

今後もずっと残していかなきゃならない!絶対に!

銭湯でちんぽこを隠すやつが多いように、

正直であることを恥ずかしがる風潮が最近あるように思う。

EXILEみたいに乳首だけ見せていやらしくするんじゃなくて、

AKBみたいに秋元おじさんの変態妄想なんかじゃなくて、

そりゃもうORITOのようにスッポンポン状態のソウルで

愛をむき出しにすることが最高なのだ。

ぜひORITOの音楽に触れ、何かを感じてください!

 

 

最後に今回のCDとは関係ありませんが、こちらの曲をどうぞ!

私は、これ以上に優しい曲を知りません。

 

『さらば恋人』(『団子と珈琲』未収録、堺正章のカバー)

 

https://www.youtube.com/watch?v=btVG9KZcMdY

 

高野百万石